近年家の延長のようなナチュラルな医院を多く設計していましたが、日常感とは異なった環境を考えてみたいと感じていました。本計画は現医院から2区画程先の建物への移転計画です。元々高齢者の利用が多いのですが、移転先周辺には公園や小児科があり、ファミリーが増えるといいなという話がでました。そのキーワードを手掛かりに、小さい子供が来ても怖くない雰囲気、連れてくる親御さんに好まれる雰囲気から「絵本に囲まれた空間」をイメージしました。さらにそこから発展させ、今までのメインである高齢者の方が来ても違和感のない雰囲気。これらを統合し「本」に囲まれた医院を提案しました。本のスケールを大きくし、本棚のように並べることで冒頭の日常感から少しずれた雰囲気=非日常感をイメージしました。棚には背表紙を並べ、モニターなどの大きな面が必要な場所には表紙を向ける構成としました。背表紙には題名がわりに室名を入れることで統一感をもたせました。背表紙には化粧パネル材を加工して取り付け、ページ部分には化粧モール材を用いてページ感を出しました。また表紙部分には普段店舗ではあまり使わない織物調クロスを使用しました。これにより非日常感がありながら患者さんの恐怖感を和らげるような雰囲気を創れたのではないかと思います。

診察スペース
絵本をイメージしたパーティションが、診療空間に上質なアクセントを加えます。

診察スペース
絵本をモチーフとしてあしらったパネルが、空間のアクセントに

診察スペース
本に囲まれた診察スペースで日常感から少しずれた雰囲気を演出

受付カウンター
絵本を積み重ねた意匠を持った受付カウンター